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認知
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デフォルトモード・ネットワーク
デフォルトモード・ネットワーク(DMN)は、外的課題に取り組んでいない安静時に活動が高まる脳領域群を指す。内側前頭前野・後部帯状回・角回などから構成され、自己に関する思考、他者の心の推論、過去の回想、未来のシミュレーションなど、内向きの認知を支えると考えられている。
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二重過程理論(システム1/システム2)
二重過程理論は、人間の認知を自動的・直感的なシステム1と、意図的・熟慮的なシステム2の二種類の過程として描く枠組みである。速く省力のシステム1が多くの判断を担い、労力と時間を要するシステム2がそれを部分的にチェックする。カーネマンの著作を通じて広く知られた。
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意識のグローバル・ワークスペース理論
グローバル・ワークスペース理論(GWT)は、バーナード・バースが提唱し、ドゥアンヌやシャンジューらが神経科学的に発展させた意識の枠組みである。脳内の多数の特化した並列モジュールのうち、選抜された情報だけが広範な領域に「放送」され、それが意識的経験と報告可能性を生むと説明する。
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認知革命 ― 虚構を信じる力
ユヴァル・ノア・ハラリが『サピエンス全史』で提示した概念で、約7万年前のホモ・サピエンスに起きた認知能力の跳躍を指す。架空の存在、未来、抽象概念について語り信じる力が、血縁を超えた大規模協働と、神話・法・貨幣・国家といった虚構を可能にした。
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ダンバー数と集団サイズの限界
人類学者ロビン・ダンバーが1990年代に提唱した仮説で、霊長類の新皮質の大きさと集団サイズに相関があり、ヒトの場合は約150人が安定した関係を持てる上限とされる。狩猟採集集団、軍隊の中隊、企業の部門など、人類社会に繰り返し現れる数字。組織設計の生物学的上限。
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火の使用と脳の拡大
約100万年前、ホモ・エレクトスの時代から火の制御的利用が始まったとされる。調理による食物の消化効率向上が、脳という高エネルギー臓器の拡大を可能にし、夜間活動・防御・社会的結束の土台となった。エネルギーの外部化——人類最初の技術革命。
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煩悩
サンスクリット語 kleśa。心を汚染し、苦の原因となる精神作用。根本的な三毒(貪・瞋・痴)から派生し、伝統的には 108 の煩悩が数えられる。除夜の鐘 108 回はこれに由来する。
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言語の起源
言語の起源は人類進化最大の謎の一つである。咽頭の位置、FOXP2遺伝子、ブローカ野の発達など生理的条件は20〜30万年前に整ったとされるが、現代的な統語構造を持つ言語がいつ成立したかは諸説ある。言語は身体でも道具でもない、人類最古の共有プロトコルである。