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数学
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微積分の発明
17世紀後半、アイザック・ニュートンとゴットフリート・ライプニッツが独立に体系化した微分積分学。接線・速度・面積といった連続的変化の量を扱う枠組みを確立し、近代物理学・工学・経済学の共通言語となった。両者の優先権論争は欧州数学界を分断し、大陸とイギリスの発展経路を変えた。
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カオス理論
20世紀後半に成立した、決定論的な非線形力学系に現れる予測不能性の理論。1963年エドワード・ローレンツの気象シミュレーションに始まり、ストレンジアトラクター、初期値鋭敏性(バタフライ効果)、分岐図、フラクタルなどの概念が発展した。ニュートン的決定論の限界を示し、複雑系科学の基盤となった。
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ユークリッド原論
紀元前300年頃、アレクサンドリアの数学者ユークリッドがまとめた全13巻の数学書。定義・公準・公理から命題を演繹する厳密な体系を示し、2000年以上にわたり西洋の数学・論理学教育の標準テキストとなった。近代科学の方法論的モデルとしても決定的な影響を及ぼした。
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フェルマーの最終定理
1637年にピエール・ド・フェルマーが書き記した『n≥3のとき、xⁿ+yⁿ=zⁿを満たす正整数の組は存在しない』という命題。3世紀にわたり未解決の難問だったが、1995年にアンドリュー・ワイルズが谷山-志村予想の証明を経由して完成させた。楕円曲線・モジュラー形式・保型形式を結ぶ壮大な数学理論を動員した証明は、近代数学の金字塔となった。
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ゲーデル不完全性定理
1931年、オーストリアの論理学者クルト・ゲーデルが証明した、自然数論を含む十分に強力な無矛盾な公理系には、真でありながら証明も反証もできない命題が必ず存在するという定理。ヒルベルトの形式主義プログラムを決定的に破綻させ、数学の限界と計算可能性の概念に深い示唆を与えた。
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ピタゴラスの定理
紀元前6世紀のピタゴラス学派に帰される、直角三角形の斜辺の二乗は他の二辺の二乗の和に等しいという定理。古代バビロニア・中国・インドでも独自に知られていた。数と世界の調和を象徴し、無理数発見の契機ともなって、西洋数学思想の出発点を形成した。