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近代科学
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微積分の発明
17世紀後半、アイザック・ニュートンとゴットフリート・ライプニッツが独立に体系化した微分積分学。接線・速度・面積といった連続的変化の量を扱う枠組みを確立し、近代物理学・工学・経済学の共通言語となった。両者の優先権論争は欧州数学界を分断し、大陸とイギリスの発展経路を変えた。
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細胞説
1838-1839年、植物学者マティアス・シュライデンと動物学者テオドール・シュワンが提唱した、すべての生物は細胞からなるという理論。後にルドルフ・ウィルヒョウが『すべての細胞は細胞から生じる』を加え、生物の統一性と連続性を示した。近代生物学・病理学・発生学の出発点である。
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大陸移動説
1912年、ドイツの気象学者アルフレッド・ヴェゲナーが提唱した、かつて存在した超大陸パンゲアが分裂して現在の大陸配置に至ったとする仮説。形態的一致、化石分布、氷河堆積物などを証拠としたが、メカニズム不在として半世紀拒絶された。1960年代にプレートテクトニクスとして復活・体系化された。
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ダーウィン進化論
19世紀、チャールズ・ダーウィンが『種の起源』(1859)で提示した進化の理論。変異と遺伝、生存競争、自然選択により、種は時間をかけて変化するとした。創造論的生物観を覆し、生物学の統一理論となるとともに、人間を自然の一部として相対化し、近代思想全体に巨大な衝撃を与えた。
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エントロピー
1865年にクラウジウスが熱力学的に定義し、ボルツマンが統計力学的に再定式化した物理量。系の微視的状態の数の対数に比例する。孤立系では増大し続け、秩序から無秩序への一方向性を測る。1948年シャノンが情報理論に転用し、物質・エネルギー・情報を貫く普遍概念となった。
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ジェンナー種痘法
1796年、イギリスの外科医エドワード・ジェンナーが牛痘接種による天然痘予防法を実証した。『牛痘の原因と効果の研究』(1798)で公表され、急速に世界に広まった。1980年のWHOによる天然痘根絶宣言に至るまで続く近代ワクチン学の起点であり、予防医学の思想的原点となった。
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マクスウェル方程式
1864年、ジェームズ・クラーク・マクスウェルが電気と磁気の実験則を統合して導出した4つの方程式。電場と磁場の関係を偏微分方程式で記述し、電磁波の存在と光速での伝播を予言した。ヘルツによる実証、相対性理論、無線通信、現代エレクトロニクスのすべてが、ここから展開した。
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メンデル遺伝学
オーストリアの修道士グレゴール・メンデルが1865年に発表したエンドウマメの交配実験に基づく遺伝の法則。優性の法則、分離の法則、独立の法則の3つを定式化した。当時はほぼ無視されたが、1900年に3人の研究者が独立に再発見し、以後の遺伝学・分子生物学の基礎となった。
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ニュートン力学
17世紀末にアイザック・ニュートンが『プリンキピア』で体系化した力学理論。慣性、運動方程式F=ma、作用反作用の3法則と万有引力の法則により、天体から地上物体までの運動を統一的に記述した。19世紀末まで物理学の支配的枠組みであり、今なお工学の基礎である。
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種の起源
1859年11月、チャールズ・ダーウィンが刊行した『自然選択による種の起源、すなわち生存競争における有利な品種の保存について』。自然選択による進化のメカニズムを論証し、生物多様性の起源を自然的原因で説明した。初版1250部が発売日に完売し、以後の科学と思想史を根底から変えた。
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パスツール細菌説
19世紀後半、ルイ・パスツールが発酵・腐敗・感染症が微生物によって引き起こされると実証した理論。白鳥の首フラスコ実験で自然発生説を否定し、低温殺菌法、炭疽ワクチン、狂犬病ワクチンを実用化した。コッホと並び、近代細菌学と衛生医学の父となった。
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周期表
1869年、ロシアの化学者ドミトリ・メンデレーエフが発表した元素の周期律と周期表。原子量順に並べたときに類似性質が周期的に現れることを示し、空欄として未発見元素(ゲルマニウム、ガリウム、スカンジウム)の性質を予言した。20世紀の原子構造理論により、量子力学的基礎が明らかになった。
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プリンキピア
1687年にアイザック・ニュートンが刊行した『自然哲学の数学的諸原理』(Principia)。ラテン語で書かれ、幾何学的証明形式で力学3法則と万有引力を提示した。天体運動から潮汐、彗星までを単一の数学体系で説明し、科学革命の到達点として、以後300年の科学と工学を形づくった。
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熱力学第二法則
19世紀、カルノー、クラウジウス、ケルヴィン、ボルツマンらによって定式化された熱力学の根本法則。孤立系のエントロピーは時間とともに増大し、熱は高温から低温へ自発的に流れる。時間の一方向性を物理的に規定し、情報理論・生命論・宇宙論にまで射程を広げた。
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蒸気機関
18世紀、トマス・ニューコメンが1712年に実用化した大気圧機関を、ジェームズ・ワットが1765年に分離凝縮器で改良した熱機関。鉱山排水から紡績・鉄道・船舶まで動力源として展開し、産業革命の物質的基盤となった。熱を仕事に変換する理論的探究は熱力学の成立を促した。